Sadi Carnot(サヂ・カルノー):1796年7月1日〜1832年8月24日

 しばしば問題とされたのはつぎの諸点である。熱の動力(効率)には限りがあるのか、どうか。また、火力機関を改良する可能性は、いかなる手段によっても超えることのできない、事物の本性からくる限界によって限られているのか、それとも、どこまでも限りがないのか。人々はながいあいだ、火の動力を発生させるのに水蒸気よりも好ましい作業物質がないものかと探求してきたし、いまなおさがし求めている。たとえば、空気がこの点で、利点を持たないであろうか。われわれはこれらの問題を立ち入って考察してみようと思う。

サヂ・カルノー、広重徹:訳「カルノー・熱機関の研究」みすず書房、p.41

 明快な問い、問題意識から素晴らしい理論が生まれる。上記のようなクリアな問題意識からカルノーは熱理論を構築した。当初、カルノーは熱素説に立脚したが、クラウジウス、トムソンらによって、熱素説を脱却し、熱力学第1法則(熱エネルギーを含めたエネルギー保存則)と熱力学第2法則(熱伝導は不可逆である)の二つの基本法則を要請する現在の熱力学の理論体系が確立する。
 2つの熱源間で働く熱機関の中で可逆機関の効率が最大であること、また可逆機関の効率は作業物質に依存せず、2つの熱源の温度のみで決まることが、熱力学第2法則から導かれる。
 さらに、これを元にして可逆熱機の効率が、
であることが導かれる。

[ 引用句目次 ]   [ Home Page ]