作用・反作用の法則

力学では、万有引力の定義はあるが、力一般の定義はない。 しかし、力の属性については、作用・反作用の法則がある。 ニュートンの著書「自然哲学の数学的諸原理」通称「プリンキピア」には、 次のように書かれている。

法則III

作用に対し反作用は常に逆向きで相等しいこと。 あるいは、2物体の相互作用は常に相等しく逆向きであること。
他のものを押したり引いたりするものはなんでも、 同じだけそのものによって押されたり引かれたりする。 指で石を押すと、指もまた石によって押される。・・・

「ニュートン」河辺六男(中央公論社・世界の名著)

LAW III

To every action there is always opposed an equal reaction: or the mutual actions of two bodies upon each other are always equal, and directed to contrary parts.

(From Motte's 1729 translation of Principia http://wwwcn1.cern.ch/m/mcnab/www/n/T/LawsMotion.html)

現在の力学のテキストでは、力の向きをさらに明確に規制し、次のように述べる。

運動の第3法則

2つの質点の一方が他方に力を及ぼしているときには、 必ず後者も前者に力を作用しており、それらの力は両質点を結ぶ直線の方向に沿って 逆の向きに作用しており、それらの大きさは等しい。

(原島鮮「力学I」裳華房)

 さて、一から考えてみよう。今、何もない空間に2つの質点を置く。 それらの間には万有引力が働くし、もし電荷を帯びているならばクーロン力も働く。 もし、これらの力の向きが逆で大きさが等しくないと何が起こるだろうか? 2質点の重心が合力の方向に加速度運動することになる。 しかし、2つの質点以外何もない空間で、特別な方向などあろうはずがない。 従って、2質点系の合力は零でなければならず、 作用と反作用は大きさが等しく向きが逆でなければならない。

あり得ない例許される例(引力の場合)

 さらに、重心の周りでトルク(力のモーメント)を持つと、 2質点系は回転し始めることになるが、 これも特別な回転軸・回転方向などあろうはずがないから、 あり得ない。従って、力は2つの質点を結ぶ直線に沿っている必要がある。

このように考えると、作用反作用の意味が良く分かるのではないだろうか。


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