アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
フィリップ・K・ディック/浅倉久志:訳
ハヤカワ文庫(原作1968年、翻訳版発行1977年,1999年4月には40刷) 640円(319ページ)

徐 丙鉄(近畿大学工学部)2001.5.19

問題はあなたがどれほど親切であるかだ。この親切という特質が、わたしにとっては、われわれを岩や木切れや金属から区別しているものであり、それはわれわれがどんな姿になろうとも、どこへ行こうとも、どんなものになろうとも、永久に変わらない。 (フィリップ・K・ディック)
ディックは人間の特質を感情移入(empathy)にあると考える。 新型脳ユニットを搭載した奴隷アンドロイドが火星から逃亡してくる。アンドロイドをハントし賞金稼ぐリックを通して人間の本質とは何かに迫る。アンドロイドの判定はフォークト=カンプフ検査法という検査で、感情移入能力を測定することで判定する。

人間とは何か?を考えさせられるSFである。アンドロイドはどのように作ろうとも人間とは判然と区別できるものであろうか?脳が人間を特徴付けると短絡的に考えてよいものであろうか?脳のみを人工的に培養し続けられたら、その人は生き続けていると言えるのであろうか?脳は外部感覚を持たずに生き続けられるのであろうか?いろんな疑問が湧き上がる。

この小説は,映画「ブレードランナー」(1982年公開)の原作である.主演はハリソン・フォードだったが,興行的にはヒットしなかった.多くの人はその後ビデオやテレビで見た.


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