「ピーター流らくらく学習術」
ピーター・フランクル 岩波書店:岩波ジュニア新書293( 1997年10月)640円(186ページ)

徐 丙鉄(近畿大学工学部)97.12.1

 岩波ジュニア新書のシリーズにはいい本が結構ある。 例えば、茨木のりこ「詩のこころを読む」は私家版名著シリーズに選定され、 ガラス扉付きの本棚に鎮座している。
 この本もいい。大人が読んでも目から鱗が落ちるような記述がある。 もちろん、中・高生が読めば得るところが多量にあるだろう。

 勉強ということばを、中国語では強制するという意味で使うそうだ。 韓国語では勉強することを「コンブハダ:工夫する」という。

この指摘は、日本での学習観の偏りを端的に現している。

 また、日本人に一番足りないのが「自信」であるというのも当たっているのではないか。 ところが一方で、大蔵省ではキャリア組は2年くらい勤めると、地方の税務署の所長になり、 地方の名士と同格の扱いを受け、自信を付けて戻ってくる。 官僚には自信を付けさせ、庶民には自信が付かないような学校教育をしている という指摘には目から鱗が落ちた。

 その他、コンビニエンス・ストアに老人が店員とのちょととした会話を楽しみにやってくるという 指摘は面白い。郵便局や郵便配達人、新聞配りや牛乳配達もそういう側面を意識して付加価値を付けると いい。また、この頃、若者がコンビニやファースト・フード店でアルバイトしているが、 彼らが仕事をとおしてことばを交わすことのすばらしさと思いやりを学ぶならば、未来は明るい。


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