「サイエンス・パラダイムの潮流」
黒崎政男 編 丸善(1997年8月)740円

徐 丙鉄(近畿大学工学部)97.12.1

目次

  序章:サイエンスパラダイムの潮流  ・・・・・ 黒崎政男
  第1章:思想としての科学      ・・・・・ 野家啓一
  第2章:生命と人工生命の間     ・・・・・ 佐倉 統
  第3章:地球誕生のパラダイム    ・・・・・ 松井孝典
  第4章:混沌を科学するカオス工学  ・・・・・ 合原一幸
  第5章:脳の世界          ・・・・・ 養老猛司
  第6章:人間の情報処理       ・・・・・ 安西祐一郎
  第7章:決定論的カオスの思想    ・・・・・ 黒崎政男
  対談:サイエンス・パラダイムをめぐって・・・・ 井関利明・黒崎政男

第1章が興味深い。
ギリシャ人たちは次のように考えたそうだ。

マクロコスモス(大宇宙)とミクロコスモス(人体)の 対応関係をコレスポンデス(万物照応)という。 つまり、大宇宙が人体にある作用を及ぼし影響を与える。 そういう星の力がわれわれの体のなかに流れ込むことをインフルエンスという。(p.25)
惑星が1時間毎に地球を支配するという考えから 曜日が決まった、のもインフルエンスの一種だろう。

また、第3章には興味深い視点がある。

海のなかにいた生物が大陸に進出しようとする場合、 例えば自分の体のなかに海をつくらないかぎり、 生きることはできない。(p.110)
以前、勝木先生が「動物の腸の内部は植物にとっての土壌である」と言っていたが、 進化の過程で以前の環境を体内に取り込んでいったと解釈できる。

第5章の指摘も面白い。

哲学の問題は、それが言語を方法とし、それ「のみ」を方法とするところにある。(p.149)
哲学の限界はまさにそこにあるのではないだろうか?
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