クロソイド曲線:走りやすいカーブ 

徐 丙鉄(近畿大学工学部)1999.11.6,改定:2002.8.18

 高速道路は車が走りやすいように設計されている. もしカーブが円周の一部であったら 直線部分から円周に入った途端に ハンドルを急に切り一定の角度を保持しなければならない. 次に円周から出るときには一瞬でハンドルを戻さなければならない. このように円周に沿ったカーブを曲がるには, 不自然なハンドル操作が必要になる. また, 車にはカーブに入った途端に大きな遠心力がかかるので 乗っている人は不快であろう. これは道路としては不適切な設計である.

 そこで, 一定のスピードで走る車のハンドルを 一定の角速度で回し続けたときの軌跡を 用いてカーブは設計されている. この曲線は徐々に曲率が変化する緩和曲線で, クロソイド(clothoid)曲線と呼ばれている.

 車のハンドルを切って固定し,一定のスピードで進むと, 車の進行方向は時間に比例して変化し, 車は円周を描く. 一方,ハンドルを一定の角速度で切り続けると 車の進行方向は時間の2乗に比例して変化し, 車の軌跡は渦巻き状になる. これがクロソイド曲線である. したがって,クロソイド曲線は次の微分方程式を満たす.

dx/dt = cos t2
dy/dt = sin t2

 実際のカーブは クロソイド曲線と円周をうまく連結して設計する. つまり,直線からクロソイド曲線を経て円周につなぎ, 円周からクロソイド曲線を経て直線につなぐ. このように設計されたカーブを走るときのハンドル操作は, 直線部からクロソイド曲線に入ると 一定の角速度でハンドルを切り続け, 円周に沿って走るときにはハンドルを切ったまま固定しておく. 次に円周からクロソイド曲線に沿って直線部に戻るが, このときはハンドルを一定の角速度で戻して行く.

心理的な理由でも,高速道路ではクロソイド曲線の方が望ましい. 運転者は先が見えないと減速する.それは高速道路では望ましくない. 曲率が徐々に増してゆくクロソイド曲線は,円周カーブよりも先を見通せるので, 運転者はあまり減速しない.


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