サイズの科学

徐 丙鉄(近畿大学工学部)

犬と象の体形を比べると、象の脚は異常に太い。なぜだろうか? ある動物の体長を L とすると、その動物の体重 W は L^3 に比例する。 また、脚の断面積 S は L^2 に比例する。体重 W を断面積 S の脚で支えることになるから脚の単位面積当りにかかる力 f(=W/S=L^3/L^2 ) は L に比例する。つまり、犬が体形を相似に保ちつつ5倍になると、脚の単位面積当りに加わる力は5倍になる。しかし、そのような大きな荷重に脚は耐えられないから、大きい動物の脚は相対的に太くなければならないことになる。

このようにサイズの観点から考えると、色々な物事をうまく説明できることがある。

右図は重量上げのチャンピオンの体重 W と持ち上げることのできるのバーベルの重量の最大値 F の関係を表した両対数グラフである。

   F = k W^(2/3)   の関係を示している。

これも次のように考えると説明できる。 チャンピオンともなれば、どの選手も十二分にトレーニングを積み、筋肉は極限にまで鍛え上げられていると考えられる。その結果、単位断面積当りの筋肉が出す力はどのチャンピオンもほぼ等しいと考えて良いであろう。

選手の体長を L とすると、筋肉の断面積は L^2 に比例し、選手の体重 W は L^3 に比例する。選手が持ち上げることの出きるバーベルの重量の最大値 F は、筋肉の太さ(断面積) S(=L^2)に比例する。 また、   S^(1/2) = W^(1/3) = L 

だから、F は結局 W^(2/3) (=L^2) に比例することになる。

参考文献


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