屈折の法則(スネルの法則)

屈折

他の媒質に光が入射すると進路が曲がる.これを屈折といいます.水の入ったコップにさした鉛筆が折れ曲がって見えるのは屈折のためです.屈折は媒質中での光の速さが異なることから起こる現象です.光は真空中を速さ c = 3×108 m/s で進みますが,絶対屈折率が n の媒質中での速さは c/n となります.

屈折と反射のシミュレーション

JavaApplet

ブルーの領域は水(絶対屈折率=1.33)です.灰色の領域は空気(絶対屈折率=1.00)です.入射光線は "i" でラベルしています.

入射光線をマウスでドラッグすると,リアルタイムで反射光,屈折光を再描画します.水中からの入射した光は入射角が大きいと全反射します.

入射角を i ,屈折角を r ,入射光の側の媒質の絶対屈折率を ni , 屈折光の側の媒質の絶対屈折率を nr  とすると

スネルの法則     sin(i)/sin(r) = nr/ni

が成り立ちます.

従って,sin(r) = (ni/nr) sin(i) より,ni > nr の場合 sin(i*) = nr/ni となる角度 i* 以上の入射角度に対しては屈折光は存在しません.これが全反射です. 入射角度 i* を臨界角といい,この場合は約48.75度です.

また,絶対屈折率は真空中の光速度c0(=3×108 m/s)と媒質中の光速度の比ですから,

ni = c0/ci    nr = c0/cr  より    スネルの法則  sin(i)/sin(r) = ci/cr  とも表せます.

光速度の遅い媒質から速い媒質への (ci < cr) 光の入射に際しては 入射角が大きいとスネルの法則を満たす屈折光は存在せず,全て反射することになります.

注:媒質の誘電率をε,透磁率をμとすると,媒質中の光速度 c は c = 1/(εμ)1/2. 強磁性体を除いて通常の物質の透磁率は真空中の透磁率にほとんど等しいから, μ=μ0( = 4π×10-7 H/m) と置くと,   n = c0/c = (ε/ε0)1/2 (真空の誘電率 ε0 = 107/(4π c2) F/m ).

スネルの法則の導出:2つの媒質中での光速度が異なるために屈折は生じる

平面波が媒質1から2へ入射し,光速度が媒質に依存する(図では媒質2で遅くなる)とします. この図の線分は平面波の山の位置を表します. 媒質2で光速度が遅くなると光は図の様に曲がらなければつじつまが合いません. 図より,光の入射角を i ,屈折角を r , それぞれの媒質での光の波長を λi,λr と置くと, 以下の関係が成り立ちます.


  AB sin(i) = λi
  AB sin(r) = λr
  sin(i) / sin(r) = λi / λr = ci / cr

ペレリマンは「おもしろい物理」(東京図書:p188)では, 「机の半分にテーブルクロスをかけ,机を少し傾斜させ, 1本の軸の両端に車輪がついたものをころがす」ことで示すことができるとの記述があります.

電磁気学的な証明

媒質の境界面での電場と磁場の接線成分の連続性の条件よりスネルの法則が導けます.


Home Page